平成18年度 経済地理(秋学期) 商店街に関するレポート

 

早稲田大学 商学部 

商業・貿易・金融コース 3年 

河野愛一朗

 

調査商店街:西早稲田商店街(早稲田通りの明治通りとの交差点から東)

 

この商店街を選んだ理由:

・・・私は早稲田大学西門からすぐ近くの西早稲田に住んでいるが、西門商店街など大学に併設されている商店街は、小規模なものばかりであった。そこで、東から西に目を向けることにし、この西早稲田商店街が自分の家から近くの商店街の中では、最も大規模ものだと考えた。

 

調査日時:12月4日正午ごろ

天候:曇り

 

1 全体概観(今回の調査領域)

 

※地図は、Adobe SVG Viewerを使って、作成された地図を画像編集ソフトによって加工した。

 

2 調査内容

 

テーマ:商店の業種とそれぞれの店舗数(西早稲田商店街加盟店舗)

種類

店舗数

割合

飲食店

和食

15

11.5%

40.8%

洋食

5

3.8%

ラーメン

11

8.5%

居酒屋

5

3.8%

喫茶店

4

3.1%

その他

13

10.0%

商店

本屋

11

8.5%

36.9%

服屋

3

2.3%

酒屋

2

1.5%

美容院
理髪店

6

4.6%

その他

26

20.0%

不動産

6

4.6%

病院

4

3.1%

金融

3

2.3%

コンビニ

4

3.1%

交通

1

0.8%

会社

11

8.5%

130

100.0%

 

【店舗数】 右の表を参照

※詳しい店名などは後の資料を参照。

【調査方法】 歩行と地図による。

 

【考察】

 

<一般的な商店街と共通する点>

 

 この商店街は、新宿のようないわゆる中央商店街ではなく、地元密着型の商店街だと言える。このような郊外の商店街の場合、駐車場がないため、モータリゼーションの進展以降、客足が少なくなってしまった場合が多いとされる。西早稲田商店街も、駐車場がないのは、郊外商店街と共通するが、この商店街の場合、駐車場がないことが、不利な要素であるとは考えにくい。理由として、大きく二つあると考えられる。

 

 まず、1点目は、この商店街の消費者層である。この商店街は、言うまでもなく早稲田大学と高田馬場との間に存在し、周辺の住民よりはむしろ、早稲田大学の学生の利用者数が多いと考えられる。このような学生は、もともと、自動車を保有するほど経済力がなく、彼らにとって、この商店街が他の駐車場付きのショッピングモールと競合するとは考えにくい。

 

 2点目は、東京は地方とは違い、地価が著しく高く、大駐車場を備えるようなショッピングモールが、そもそも少ないことである。学生以外の周辺住民であっても、自動車が止められないからと言って、毎日、電車で遠出するのは面倒なことであろう。よって、この西早稲田商店は、駐車場がほとんどないからと言って、地方の商店街でよく見られる“シャッター街”のような状況には至っていない。

 

<この商店街についての特殊な点>

 

 前段でも述べたが、この商店街がいわゆる学生街の一部を構成しているがゆえに、他の一般的な商店街では見られない点がある。表の□を見てほしい。この商店街構成比の8%以上のものをチェックしているが、高年層が好む和食屋が多い反面、若年層が好むラーメン屋も極めて多い(右の図を参照)。周辺住宅街が大学に近いと言えども一軒家が意外と多く、高所得層、すなわち、高年層が多いため、和食屋が多いと推察される。これらの人はラーメン屋をよく利用しないだろうが、これらは高田馬場と早稲田を行きかえりする学生が多く利用しているのではないかと考えられる。

 

 ラーメン屋の他にも、特異に多いのは本屋である。しかもこの全てが古本屋である(右の図を参照)。調べたところ、早稲田周辺は、神田神保町と並ぶ、日本最大の古本屋街であるそうだ。早稲田の古本屋の半数近くがこの西早稲田商店街に存在している。これも、大学の存在が立地の原因だと推察される。なお、添付している店舗の詳細資料を見れば分かるが、これらのラーメン屋は、他の店舗に比べて閉店時間が突出して遅い。他の店舗の閉店が、早めであることがさらにこれを際立たせている。深夜には、高田馬場などで飲んできた学生などが利用すると考えれるが、前にも述べたように、この地区の学生住民は多くないので、需要によって営業時間が延長されているというよりも、供給側の競争によるものだと考えられる。

 

 4%以上のもので言えば、美容院・理髪店や不動産屋も他の商店街と比べて多い。前者に関しては、開店時間が夕方ごろまでであることから、これも通行する学生が消費者であろう。後者に関しては、学生の住民比は意外と多くないので、一般の人が消費者と思いきや、これらの不動産屋は、西早稲田商店街周辺を除いたワンルームマンションを多く扱っているようなので、やはり学生の利用者が比較的多いと考えられる。それでも、小型の商店街にしては、かなり不動産屋の数が多いような気がするが、これは、東京の不動産が他の地方よりも地価が高く、高収益を上げられるからだと考えられる。

 

 逆に、少ないものを挙げてみたい。上の表では分類的に、商店のその他に配分(詳しい内容は添付されている店名一覧を参照)されているが、一般的商店街の定番である八百屋・肉屋・魚屋がほとんどないことである。肉屋に至っては全く存在していない。また、一軒ずつ存在する八百屋・魚屋に関しても、西早稲田商店街の表通りではなく、住宅街に入ったところに存在している。これらの個人営業の小売がないからと言って、スーパーマーケットがあるわけでもない。この理由として考えられることは、西早稲田商店街内ではないが、東方にサントクというスーパーマーケットがこれらの役割を代替しているということが考えられる。なお、最近まで、この商店街の東端に、ひまつぶしというディスカウントショップが存在し、ここで野菜の他に多種多様な品を極限にまで安い価格で販売していた。しかし、西門交差点の近くにドンキホーテが開店したせいか、消費者を奪われ、採算が取れなくなり閉店してしまったようである。

 

 コンビニの数であるが、これぐらいの規模の商店街で4軒というのは、全国的にはかなり多い方である。しかし、そもそも東京全体においてコンビニ自体が、商店街内外問わず多いことを考えれば、この商店街の特殊性の対象にはならないであろうと考えられる。

 

 他に、ファーストフード店の数だが、これはモスバーガーの一軒のみである。確かに、早稲田駅や高田馬場駅周辺に多く存在するが、他の店の数に対する比較数は、学生街にしてはかなり少ないのではないかと考えられる。