7月13日現代資本主義システム論『笑い』について

 

 

(1) 今回のテーマにおける内容の再確認 (一部を追加・補充)

 

1.「笑い」とは

 

 「笑い」には2つの種類がある。一つは気持ち良いときに発する微笑み(smile)であり、もう一つは面白いときに出てくる声を出す笑い(laugh)である。両者の根本的な違いは、前者の笑いが多くの動物が持っているものに対し、後者の笑いには高度に発達した大脳が必要であって、ヒト独特のものである。

 

2.笑いと健康の相関性

 

 笑いは健康によいとよく言われている。というのは、笑うことで患者の病状が改善されたという実例が多々あるからだ。特に、笑いは免疫に関係する病気に効果があるらしいが、なぜ笑いに効果があるのかという理由については、未だよく分かっていない。

 但し、笑う(laugh)という動作は、一種の驚きであるので、身体を緊張させ、その後にリラックス状態を招く。すなわち、緊張と弛緩の繰り返しを生むことになるので、血管を拡張・収縮させ、それが健康によい作用となっているとする意見もある。

 

3.お笑いブームと健康

 

 数年前に健康と癒しが流行ったことにより、人々は常日頃そのようなものを求めるようになったが、健康によい影響を与え、癒しにもなる「笑い(laugh)」を本能的に多くの人が選択していったからではないか。

 

4.まとめ

 

 昨今のお笑いブームのおかげで、笑いが起きれば何でもよいというような雰囲気がある。笑いの質を高めるために、お笑いの力をつけて、心から笑えるような笑いを提供されるようになるべきだ。

 

 

 

(2) 笑いとは

 

 以上の中で、「笑い」の根本にある2つのものが提示された。laughを意味する「笑い」とは、人間の知的な動作であり、また、一種の驚きであると言う。では、一体どこが知的であり驚きであろうか。以下、laughの方の「笑い」に限定して話してゆきたい。

 まず、「笑い」という動作を言葉の上で議論しても分かりづらいので、このゼミで話題となったお笑いを使って考えていこう。なぜ、我々はお笑いたちに笑うのか。それは、お笑いたちが演出する滑稽さに笑うからだ。では、なにが滑稽かというと、それは、彼らが演じていることと、社会一般で当然と思われていることとのズレに存在する。すなわち、「笑い」の本質には、このおかしなズレがあり、そのズレに我々は多少驚いて笑うのである。そして、そのズレを理解するためには、知能が必要であり、この点で、「笑い」は知的であるのである。また、笑うこと自体以上に知的なものがある。我々を笑わしているはずのお笑いたちは、「笑い」の本質のズレを作り出しているわけだから、人々の一般の常識を完全に把握し、さらに、自分たちも持っている常識から抜け出して普通の人が考えもしない行動を考え出す必要がある。すなわち、彼らには並ではない高い知性がなければ、人々を心から笑わせる笑いを提供できないのだ。

 

(3) 現在のお笑いブーム

 

 ところが、まとめにおいて、現在のお笑いブームでは、心から笑える笑いを提供しておらず、笑いが起きれば何でもいいという風潮になっていると主張されている。これは、人々が、ズレがなくても、周りの風潮でなんとなく面白いと感じて笑うことが出来るようになってしまっているからだ。この状況においては、「笑い(laugh)」の知的度は低下しており、smileと同様、本能的な性質が強まっている。この理由は、現在のお笑いブームが、健康と癒しの流行から派生してきたからだ。この流行の延長として、本能的に選択されたお笑いブームでは、知的な部分が必須ではなくなってしまっており、お笑いたちが知的な演出をしようとはしないのである。

 

 

【参考文献】

アンリ・ベルクソン 『笑い』

ピーター・L・バーガー 『癒しとしての笑い』